大阪市中央区では、当区が発祥の地であるユネスコ世界無形文化遺産の「人形浄瑠璃文楽」を、市民の皆様に身近に感じていただくため、「文楽へのいざない」を開催します。
当日は、文楽座技芸員の竹本(たけもと)相子(あいこ)大夫(だゆう)さん、竹澤(たけざわ)団吾(だんご)さんによる義太夫節や三味線のわかりやすい解説や語りの体験、ミニ実演などを予定しています。
さらに、これに先立ち、国立文楽劇場設立25周年を記念した写真パネル等の展示を行ないます。
上記の催しは、当区役所の特色である広い玄関ロビーを活用し、中央区の豊かな歴史的・文化的資源を市民の皆様に深く知っていただくために取り組んでいる事業です。どなたにでもご覧いただけるこの機会に、貴重な日本の伝統芸能「文楽」をぜひお楽しみください。文楽へのいざない
1 開 催 日 平成21年8月25日(火) 12:15〜13:00
2 開催場所 中央区役所 1階 ロビー
所在地:大阪市中央区久太郎町1丁目2番27号
地下鉄「堺筋本町駅」下車 3番出口を出て東へ100m
3 内 容 文楽座技芸員の竹本(たけもと)相子(あいこ)大夫(だゆう)さん(大夫)、竹澤(たけざわ)団吾(だんご)さん(三味線)による義太夫節や三味線のお話とミニ実演など
4 対 象 中央区役所にご来庁の方にはどなたにでもご覧いただけます
5 主 催 大阪市中央区役所文楽展〜国立文楽劇場の25年〜
1 開 催 日 平成21年8月11日(火)〜24日(月)区役所開庁時間内(月〜木曜9:00〜17:30、金曜9:00〜19:00、ただし8月24日は午前のみ)
2 開催場所 中央区役所 1階 ロビー
3 内 容 写真パネル等の展示
4 対 象 中央区役所にご来庁の方にはどなたにでもご覧いただけます(申込不要・参加無料)
人形浄瑠璃文楽とは
人形遣い=傀儡(くぐつ)回しは平安時代から大道芸人として知られていました。16世紀に渡来した三味線の発達が、当時人気の浄瑠璃姫の語り物と結びついて古浄瑠璃が生まれ、この音楽と人形芝居の提携が各種の人形浄瑠璃を生み出しました。
大阪で人形浄瑠璃の華を咲かせたのは竹本義太夫です。貞享元(1684)年、「竹本座」を構えて古浄瑠璃から独立し、太棹の三味線の調べに乗せて優艶な節回しで語る義太夫節はたちまち人気を呼び、作者に迎えた近松門左衛門作の「曾根崎心中」などのヒットで人形浄瑠璃の本場としての大阪の地位を確立しました。
竹本座は近松と、座元兼作者の竹田出雲の力で、18世紀前半に黄金時代を迎えました。この時代の浄瑠璃の傑作は次々と歌舞伎にも取り入れられ、今も繰り返し上演されています。
竹本座が衰えたあと、19世紀初頭に植村文楽軒が大阪に作った興行小屋が「文楽座」で、幕末から明治前期にかけて代表的な劇場になりました。このため、上演される人形浄瑠璃も「文楽」と呼ばれるようになりました。今では、全国各地に伝わる昔ながらの人形浄瑠璃までが「○○文楽」と名乗るほど、一般名詞として通用しています。
文楽座は明治42(1909)年に松竹の経営となります。大正15(1926)年の文楽座焼失、戦災、文楽の分裂と再合流などの大きな事件を経ながら、伝統が守られてきました。そして竹本座設立以来300年を経た昭和59(1984)年、大阪の地に建設された国立文楽劇場の開場で、国によって保護される伝統芸能として今日の地位を築いています。
義太夫節とは
義太夫節は、江戸時代・貞享期に大阪で人形芝居「人形浄瑠璃」の語りとして成立しました。創始者の竹本義太夫(たけもとぎだゆう)〔1651-1714〕にちなみ、義太夫節と呼ばれるようになりました。
義太夫節は、語り手の大夫(たゆう)が、物語の進行だけでなく、全ての登場人物に関する心理状態や感情を原則として一人で語り分けます。その語りは、幅広い音域や様々な声を用い、極めて写実的なものといわれます。
「あのな、人間って、一生のうちであんまり仕事できへんねん。けど、機が熟したときは『ガーッ』といかないかん。嫁も息子も皆ほって。これは男の取るべき道や」
すごい気迫だった。酒に酔っていたことを差し引いても、その言葉には「那賀町で何かを根付かせたい」という強い思いがこもっていた。
2007年秋に徳島で開かれた「国民文化祭」以来、農村舞台公演や後進の指導で頻繁に那賀町に入っている文楽人形遣いの吉田勘緑(かんろく)さん(53)=三好市出身、神奈川県在住。町内で高まる舞台再興の機運を受け、自らを鼓舞するように「那賀町は今、チャンスや」と言葉をつないだ。
ここ数年、町内の農村舞台では活発な動きが続いている。04年の拝宮(はいぎゅう)(旧上那賀)、07年の北川(旧木頭)に次いで、今秋には川俣舞台(旧上那賀)で復活公演がある。町の青年団も新たに人形座を結成し、舞台を活用する取り組みが連鎖的に広がり始めた。
農村舞台の復活には、過疎化や高齢化といった地域が抱える窮状が立ちふさがる。復活を遂げた舞台に共通するのは、地域外の支援者が応援しながら、地元の住民と一緒に公演を作り上げるスタイル。ともに語らい、酒を酌み交わし、信頼関係を築く中で一つ一つの公演を紡ぎ出していく。
吉田さんをはじめ、城北高校民芸部OBらでつくる青年座(玉井啓行代表)、舞踊家の檜千尋さん(45)=徳島市住吉4=らは、那賀町での農村舞台公演に何度も出演してきた「応援団」。地域を見つめるまなざしは、それぞれ温かい。
青年座の玉井さん(52)=徳島市国府町日開=が言う。「公演前になると、地元の人は草刈りや山道への手すり付けなど、目に見えんところで盛り上げてくれるんです。でも、裏方ばっかりでは楽しめんと思う。地元の人が舞台に上がれるような催しにせんと、長く続かんでしょう」
そんな思いがあるからこそ、地元の青年団が結成した人形座への期待は大きい。「彼らを全面的にバックアップし、大事に育てていくんが僕らの役目。火付け役として外から出掛けて行くんもええけど、ゆくゆくは地元で賄えるんが一番いい」と話す。
檜さんは、個々に表情が異なる農村舞台で、それぞれの魅力を引き出す演出を考えてきた。
「農村舞台公演では人形が主役だけど、違う角度から現代舞踊が絡み、舞台のよさを引き出せたらと思うんです。そこの場所が持つ魅力も、踊りを通じて伝えたい」
事実、5月の拝宮公演では、木々の緑を借景とした舞台背後の大窓から檜さんが登場。舞台の美しいロケーションを際立たせる演出に、客席から歓声が上がった。
檜さんは、徳島の民俗芸能研究家で舞踊家でもあった故・檜瑛司さんの次女。民俗芸能の調査で山を訪ね歩いた亡父の跡をたどるように、自身も山に入ってきた。「年を重ねるごとに、地域に根を張って生活している山の人の強さや大切さが分かるようになりました。その人たちのために何かをしたい。私が踊ることで、少しでも元気になってくれたら」と願う。
多くの応援団に支えられ、那賀町の農村舞台や人形公演はこれまでにない追い風を受けている。取材で出会った地元の人は皆、舞台をてこに「地域を何とかしたい」と考えていた。高齢化が進む集落。これからは時間との戦いが加速する。
農村舞台は生活に根差した長い歴史を持ち、地域の「たからもの」として受け継がれてきた。そして今。公演を通じて自信と喜びを手にした経験が、何物にも替え難い地域の「たからもの」になっている。この財産を、次代につなぎたい。(編集委員・谷野圭助)=おわり
【写真説明】那賀町での公演を重ねている(左から)玉井さん、吉田さん、檜さん=同町拝宮の拝宮農村舞台
青年たちの目は輝いていた。昔は髪を茶色に染め、「やんちゃ」もしたという若者が、真剣な表情で人形と向き合っている。人形浄瑠璃とはおよそ無縁だった生活から一転、彼らは那賀町に新たな人形座をつくろうと、1月から練習を始めた。
主役は、那賀町青年団の20〜40代の12人。人形を操ったことのない人がほとんどで、文字通り一から人形遣いの基本を学ぶ。指導するのは、三好市出身の文楽人形遣い・吉田勘緑(かんろく)さん(53)=神奈川県在住。これまでに4回、指導に訪れた。
「徳島の人形浄瑠璃界にとって、那賀町青年団の動きはものすごく意味がある。思いっきり、うまくなってもらいたい。なれると思う」
4月15日夜、同町延野の相生老人福祉センターであった練習。吉田さんは熱っぽくメンバーを励まし、「徳島で一番うまくなるぐらいの気合で行け」と背中を押した。
それにしても、なぜ今風の若者たちが人形を始めようと思ったのか。伏線は、昨年7月に結成された「那賀町農村舞台再生協議会」にあった。
農村舞台という「ハード」を活用するには、演じ手となる「ソフト」の充実が必要と考え、会の事業計画に「新たな人形座の結成」を盛り込む。これが農林水産省の助成事業に採択され、新たな人形座の母体に青年団が“指名”された。
「最初は大丈夫かな、って思いました。あまりに急な話だったんで」。青年団の副団長を務める藤長久さん(28)=坂州、旧木沢村=は、戸惑いを隠せなかった。
練習風景がテレビで流れ、話題ばかりが先行。人形座の結成が既定路線のように扱われ、団長の山田陽介さん(25)=谷内、旧相生町=も不信感を募らせた。
一時は、座の結成が危ぶまれた時期もある。しかし、山田さんらは悩んだ末に「後に引けん。こけるなら、派手にこけよう」と覚悟を決めた。
藤長さんには、普段の生活の中で心に引っ掛かる光景があった。山で多く見掛ける独り暮らしのお年寄り。「寂しくないんだろうか、買い出しはどうしてるんだろうか」と思いながら、何もできない自分に歯がゆさを感じていた。
そんな時に舞い込んできた人形座結成の話。「人形をやれば、お年寄りとかかわりが持てるんじゃないか」。藤長さんを動かした理由は、そこにあった。「僕らは、生きる力をここで借りたんです。だから、生きとるうちにこの地域に返したい」。強い意志を感じる言葉だった。
藤長さんの思いを知る青年団事務局の湯浅悦司さん(40)=牛輪、旧相生町=は言う。「これまで育ててくれた地域に感謝して、恩返しするっていう感覚なんです。そんなふうに育ててくれた地域って、すごいと思う。この町には、地域をどうにかしようと思うとる若い衆が結構おるんです」
青年団員の意識には、絶えず「地域」がある。同級生の多くが町を離れる中、彼らは故郷に残った。この町で生きると決めた時から、必然的に地域を背負うようになる。
団長の山田さんに人形を始めた理由を聞いた。
「伝統芸能を失うのはもったいない。青年団の活動も先輩たちが絶やさず続けてくれたから、自分も団長でいる。なくすんは早いけど、つくるんは難しいですから」
青年団のメンバーは、吉田さんの熱血指導に心が動き始めている。「あんなに本気でぶつかってくる大人はおらん」「あの人ならついていける」「やってみたら、人形も割とおもっしょい」
人形座の名前は「丹生谷清流座」、お披露目公演は10月18日、町内の川俣農村舞台と決まった。町にまた一つ、明るい話題が加わった。(編集委員・谷野圭助)
【写真説明】吉田勘緑さん(左)から熱血指導を受ける那賀町青年団の団員=同町延野の相生老人福祉センター
大阪センター | 公開講座
■講師
人形浄瑠璃因協会理事 田結荘哲治
■曜日時間期間
7月25日(土)
集合 13:00 国立文楽劇場
解散 18:50(予定)
■受講料
会員 5,600
一般 5,900
(解説・床本付)
■講座の内容
会場:国立文楽劇場(大阪市中央区日本橋1‐2‐10 地下鉄・近鉄日本橋駅7番出口徒歩2分)
今回は7月公演の第2部を観劇します。演目は『生写朝顔話(しょううつしあさがおばなし)』で、愛し合う恋人同士がやっと巡り会いながら運命のいたずらからまた別れて行く江戸版「すれ違い」の物語です。ヒロイン深雪が奏でる琴の調べが哀切の感を盛り上げます。終演後に楽屋や舞台裏の見学を予定しています。
(座席券は当日受講券と引き換えにお渡しします。床本は約1週間前に郵送いたします。)
ミナミの“粋”、早稲田の“知”が上方を元気にするー上方芸能発祥の地、ミナミの文化力再生をめざしてー
大阪市中央区では、地元商店会を中心に、経済界等各種団体による「財・官・民」が一体となって、「東洋一の規模」といわれる演劇博物館をもつ早稲田大学の協力のもと、さまざまな角度から取り上げた「上方文化再生フォーラム」を開催します。
坂田藤十郎さんの孫で歌舞伎界の若手ホープ、中村壱太郎さんが語る歌舞伎の魅力(第1回)、桂米團治さんと、大阪発祥の煎茶文化を代表する一茶庵の家元、佃一輝さんの和菓子とお茶にまつわる対談(第2回)、人間国宝、竹本住大夫さんによる文楽にまつわる講演(第5回)をはじめ、無声映画の上映や邦楽演奏、朗読などさまざまなジャンルの上方文化芸能に触れ、その魅力や歴史を再認識することにより、「東洋のブロードウェー」ともいわれた道頓堀界隈での劇場文化の再興をめざします。
また、チケットの半券呈示で、協賛店18店(予定)が特別価格で食事を提供する特典もあり、フォーラム終了後はミナミの老舗料理を楽しんでいただくことができます。
1. 事業名 上方文化再生フォーラム
2. 開催期間 平成21年7月2日(木)〜平成22年2月20日(土)
3. 開催場所 トリイホール(上方ビル4F)
(大阪市中央区千日前1-7-11 地下鉄「難波」駅、「日本橋」駅下車)
4. 料 金 1回 当日3,000円、前売り2,700円
5. 予約・問合せ 上方文化再生実行委員会事務局(トリイホール内)
TEL (06)6211-2506 FAX(06)6211-5016
6. 主 催 上方文化再生実行委員会
(大阪市・大阪市商店会総連盟・中央区南商店会連合会
・ミナミまち育てネットワーク他)
7. 共 催 道仁連合振興町会・高津連合振興町会・精華連合振興町会
・河原連合振興町会
8. 協力・協賛 早稲田大学(演劇博物館、社会連携推進室)
サテライト大阪環境整備協議会
9. 年間プログラム(予定)
第1回 7月2日(木)18:30開演
「歌舞伎界の若手ホープが誘う上方文化の魅力」
上方歌舞伎の中心地、道頓堀の役割や上方歌舞伎の未来について語ります。
(出演者)中村(なかむら) 壱太郎(かずたろう) 丈(歌舞伎役者)
鳥越(とりごえ) 文藏(ぶんぞう) 氏(早稲田大学名誉教授)
水口(みずぐち) 一夫(かずお) 氏(松竹株式会社 関西演劇部)
第2回 8月23日(日)15:00開演「浪花の食文化探訪〜お茶・お菓子編〜」
大阪発祥の煎茶の家元、佃さんと五代目桂米團治さんが、明治・大正時代の船場の旦那衆の粋な遊びを語ります。
(出演者)佃(つくだ) 一輝(いっき) 氏(煎茶 一茶菴宗家)
桂(かつら) 米團治(よねだんじ) 氏(落語家)
第3回 9月18日(金)18:30開演
「初秋の夜長は邦楽の調べ(薩摩琵琶で「平家物語」を語る)」
(出演者)岩佐(いわさ) 鶴丈(かくじょう) 氏(薩摩琵琶奏者)
利根川(とねがわ) 清(きよし) 氏(早稲田大学高等学院教諭)
第4回 10月23日(金)18:30開演
「無声映画のリアリティ〜山田五十鈴主演「折鶴お千」の上映〜
(出演者)澤登(さわと) 翠(みどり) 氏(活動写真弁士)
笹川(ささがわ) 慶子(けいこ) 氏(関西大学文学部総合人文学科映像文化専修准教授)
第5回 11月29日(日)15:30開演
「人間国宝、竹本住太夫が語る文楽の世界」
(出演者)七代 竹本(たけもと) 住大夫(すみたゆう) 氏
鳥越 文藏 氏(早稲田大学名誉教授)
第6回 平成22年1月23日(土)15:00開演
「吉川英治「宮本武蔵」の朗読」
(出演者)加藤(かとう) 武(たけし) 氏(俳優)
鳥越 文藏 氏(早稲田大学名誉教授)
第7回 平成22年2月20日(土)15:00開演 「上方文化の世界(大阪学)」
(出演者)肥田(ひだ) 皓三(こうぞう) (元関西大学文学部教授、大阪庶民文化史研究者)
鳥越 文藏氏(早稲田大学名誉教授)
【講 師】 人形浄瑠璃文楽座 義太夫語り太夫 豊竹 英大夫
三味線 野澤 喜一朗
人 形 豊松 清十郎
【会 場】 <レクチャー>国立劇場「伝統芸能情報館」
<観劇> 国立劇場小劇場
【公 演】 文楽9月東京公演
第二部「伊賀越道中双六 沼津の段」「艶容女舞衣 酒屋の段」
【日 時】 9月21日(月・祝) 現地集合
(1)レクチャー:12:00〜14:00
(2)バックステージツアー:14:00〜14:45
(3)観劇:15時開演
※チケットの取れない文楽東京公演・・・関西弁で楽しくご案内する現役プロによる観劇券付きレクチャー。
バックステージツアー(舞台裏、人形の髪結い等貴重な場所を見学)、観劇付き“フルコースな内容”にご期待ください。
【受講料】 税込12,600円(観劇券、バックステージツアー料込み)
※レクチャーのみご希望の方は、税込4,200円で承ります。
−入会金不要−
【講座のお申込み・お問合わせ】
エコールプランタン Tel. 03-3567-7235
〒104-0061 東京都中央区銀座3-2-1(プランタン銀座 モード館5F)
歌舞伎や能と並ぶ日本の伝統芸能、人形浄瑠璃、文楽の公演がロシアで初めて行われることになり、29日、モスクワ市内の劇場でけいこが公開されました。
今回の文楽のロシア公演は、チェーホフ国際演劇祭の一環として2年がかりで実現し、30日からの上演を前にモスクワのプーシキン劇場で、けいこが報道陣に公開されました。今回演じられるのは、近松門左衛門の代表作「曽根崎心中」です。舞台では、語りと三味線に合わせて人形遣いが登場人物の動作や心理を巧みに表現し、ロシア語の字幕についても入念なチェックが行われていました。ロシアでは、歌舞伎や能が上演されたことはありますが、文楽の公演は今回が初めてで、日本文化への関心が高まるなか、舞台芸術に目の肥えたロシアの人たちにどのように受け止められるかが注目されています。けいこに先立って行われた出演者の記者会見で、語り手の「太夫」を務める豊竹咲大夫さんは「モスクワに来て劇場が多いのに驚きました。文化的な水準が高いこの街で、文楽という日本の伝統芸能のよさが評価してもらえれば」と抱負を語っていました。
2007年秋、那賀町最奥の木頭北川集落(旧木頭村)にある北川農村舞台で、およそ60年ぶりに人形浄瑠璃公演が復活した。きっかけは、徳島県内で開かれた「国民文化祭」。これが地域に大きな財産をもたらす。
全国一の数を誇りながら、ほとんど公演が行われない徳島の農村舞台。そんな地域の「宝」に光を当てようと、国民文化祭の「劇場王国まつり」にかかわった三好市出身の文楽人形遣い・吉田勘緑(かんろく)さん(53)=神奈川県在住=が、北川舞台に目を付けた。
「やめといた方がましじゃ」「こんな辺ぴに人がくるか」。復活公演の話が舞い込んだ時、地元からは、こんな声が上がった。舞台公演を手伝った経験などないため、不安が先立つ住民。吉田さんは熱心に説明に訪れ、討論と口論が続いた。
「やってみな、分かるまい。何とかなるわ」。後に北川舞台実行委員長となる大城岩男さん(61)は、北川集落総代だった西郵局(ゆうちか)さん(69)とともに覚悟を決めた。「責任は取る。最初から百点を目指したら何もできん」。そう思っていた。
公演の1週間前、舞台のある北川八幡神社の境内は、準備を手伝う地域の人であふれかえった。その数、約60人。「うれしかったなぁ、あれは。はがきで『これる人は来てください』と案内を出しただけやのに」と大城さん。「活気を取り戻したいと、皆が思うとる」と確信した。
林業や木材産業が衰退し、過疎化の一途をたどっていた集落。大城さんと力を合わせた西さんは「過疎に埋没しそうな状況にあらがってみたいという気があった」と、当時の胸の内を明かす。
復活公演に取り組み始め、何よりうれしかったのは、隣の折宇集落と肩を組み合えたこと。「折宇の方から『北川だけでやるつもりか。わしらにも手伝わさせろ』という声を掛けてくれて。ありがたかった」
公演準備は、北川、折宇両地域の人々の心を一つにした。杉の間伐材を使った観覧席を山の斜面に設け、山肌の参道には転落防止のロープ柵を設置した。山から木を切り出して舞台の花道を造り、子どもたちは舞台を彩るあんどんを町特産の拝宮(はいぎゅう)和紙で作った。
手間暇をかける尊さ。皆で力を合わせる心地よさ。一連の作業は、現代人が忘れかけた「結いの精神」を取り戻す営みでもあった。
北川舞台の内部の板壁には、来訪した人形座が墨書きした昔日の公演記録が並ぶ。天保、弘化、安政といった江戸後期の年号が見てとれ、「義経千本桜」など大人数を要する外題も書かれてある。人形座は川田村(現吉野川市)などから峠を越えて大移動してきた。かつては県内の津々浦々で、こうした人形文化が花開いていたのだろう。
昔日の舞台から時を経て、復活公演ではジャズ奏者・坂田明さんのサクソホンと吉田さんが操る文楽人形の競演などが披露され、このコンビは昨年8月も舞台に立った。
「生を見るんは、やっぱり違う。こんなところまで来て、本物がやってくれるんやもんなぁ。本物をもっと、子どもたちに見せてやりたい」
普段は「酒が入らんと、ようしゃべらん」と冗談を飛ばす大城さんが、真顔で言った。
復活公演を始める際、吉田さんは地域の人に宣言した。「1回だけ大騒ぎして、あとは知らん顔というのはできない。皆さんの協力が得られるなら、3年間は自腹を切ってでもやる」。今年は、その3年目に当たる。
来年以降、舞台をどう使うか。「地域がまとまったら何でもできる」。大城さんは自信を深めている。(編集委員・谷野圭助)
移動編集局・那賀郡のイベント第2弾「生かそう農村舞台」(徳島新聞社主催、那賀町共催)が28日、同町横石の鎌瀬農村舞台で開かれた。「農村舞台と集落の再興」をテーマにしたミニ座談会では、那賀町に日本一多く残る農村舞台の活用策が話し合われ、地域全体の魅力とともに売り出す必要性が強調された。三好市出身の文楽人形遣い吉田勘緑(かんろく)さんらによる実演もあり、訪れた約200人が楽しんだ。
NPO法人「阿波農村舞台の会」の大和武生会長が、江戸期以降に建てられた舞台の歴史や価値について説明。「山から木を切り出し、自分たちで作った農村舞台は、村人の結束の象徴だった」と指摘し、舞台を復活させる意味として「地域の結束を取り戻すきっかけになる」と語った。
ミニ座談会は、県文化国際課の佐藤憲治副課長をコーディネーターに▽前木頭北川集落総代の西郵局(ゆうちか)さん▽町教委の湯浅悦司係長▽「阿波農村舞台の会」会員の花岡憲司さん▽吉田勘緑さん−の4人が意見交換した。
吉田さんは「演じる側も都会の演劇空間に飽きており、地方に目が向いている。今がチャンスだ」と強調。花岡さんは「農村舞台と地域の食べ物、伝統工芸などをうまく組み合わせて売り出すことが必要だ」と応じた。
西さんは「舞台でイベントを長く継続させるには、外から演じ手を招くだけでなく、自分たちでもソフトを考えなければならない」と指摘。那賀町青年団の事務局を務める湯浅さんは「青年団で新しい人形座を作る。地域に恩返しできるよう頑張りたい」と述べた。
佐藤さんは「町から出た人が『もんてきたい』と思えるような魅力を発信していく必要がある。その大きな素材が人形芝居や農村舞台。舞台を末永く使っていけるよう、みんなの力を合わせよう」と締めくくった。
◎伝統の技、会場沸く 農村舞台で人形浄瑠璃、保存意義を再認識
28日、那賀町横石の鎌瀬農村舞台で開かれた移動編集局・那賀郡のイベント第2弾「生かそう農村舞台」(徳島新聞社主催、那賀町共催)。三好市出身の文楽人形遣い・吉田勘緑(かんろく)さんや地元の人形座が青空の下、人形浄瑠璃を披露し、会場を沸かせた。訪れた人は、町内に多く残る農村舞台の保存、活用の意義を再認識していた。
「『八百屋お七』を外で演じたんは初めてですわ」。軽妙なトークを交えながら、熱演する吉田さん。「女の人がしずしずと出てくるところを演じますよ」。三味線の音に合わせ、人形を繊細に操る場面も。会場からは伝統芸能の技の世界に感嘆の声が上がった。
地元の人形座も負けじと、練習の成果を見せた。イベントの開幕を飾ったのは木沢芸能振興会の9人による「恵比須(えびす)舞」。「さあさあ皆さん、皆の衆」。威勢のいい掛け声で会場を盛り上げた。
フィナーレは城北高校民芸部OBらでつくる「青年座」と吉田さんが「三番叟(さんばそう)」を競演。三体の人形が絡み合いながら、ユーモアたっぷりに祝いの舞を見せ、客席からは手拍子、笑いが起こった。
那賀町内には45棟の農村舞台が現存する。農村舞台を復活させ、地域の活性化につなげていこうとの意気込みがパネリストによって語られたミニ座談会にも、来場者は熱心に耳を傾けた。
地元・那賀町横石の大学職員前川正さん(59)は「農村舞台に地域の食材や文化を組み合わせれば、地域振興につながる可能性がある。町内の他集落とも協力していきたい」と意を新たにし、徳島市西新浜町2の主婦渡辺美鈴さん(70)は「農村舞台はすがすがしい気持ちになる。これからも保存していってほしい」と話していた。
【写真説明】地域活性化に向けた農村舞台の活用策を話し合ったミニ座談会=那賀町横石の鎌瀬農村舞台
シェイクスピアによる「テンペスト」が文楽で上演される運びとなり、日英協会では国立劇場のご協力により特別にレクチャーを盛り込んだ文楽鑑賞会を企画致しました。上演前に“文楽の楽しみ方”と題して、実際に出演される方によるデモンストレーションも含めた解説をお聞きいただけます。この機会にぜひ多くの方々にご参加いただければ幸いです。
参加ご希望の方はお電話、Fax、又はE-mailで事務局あてにお申込下さい。参加費のお振込みも以下の口座あてにお願い致します。参加者には1週間前までにご案内をお送り致します。(締切日8月6日)
日 時: 9月6日(日) 17:00よりレクチャー(45分程度)18:00-18:30 休憩(お弁当を各自ご用意下さい)18:30より観劇
場 所: 国立劇場 小劇場 (千代田区隼町4-1 Tel:03-3265-7411)
参加費: 会員6,800円 ゲスト7,200円 (レクチャー及びS席チケット代含む)
沙翁(シェイクスピア)文楽×乱歩(らんぽ)歌舞伎 新作の競演
この秋の国立劇場は新作の競演で幕を開けます。あぜくら会特別企画「沙翁文楽×乱歩歌舞伎 新作の競演」では、9月文楽「天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)」から鶴澤清治氏、10月歌舞伎「京乱噂鉤爪(きょうをみだすうわさのかぎづめ)―人間豹の最期―」から市川染五郎氏のお二人をお招きして、今回の新作についてお話をうかがいます。また、文楽「天変斯止嵐后晴」(国立文楽劇場平成21年夏休み特別公演)及び歌舞伎「江戸宵闇妖鉤爪(えどのやみあやしのかぎづめ)―明智小五郎と人間豹―」(国立劇場20年11月公演)の映像を、ダイジェストでご覧いただきます。あぜくら会員の皆様限定の企画です。ご期待ください。
【日時】 8月10日(月) 18時開演(開場 17時30分)
※終演予定20時
【場所】 国立劇場 小劇場
【料金】 全席指定 1,000円(自動口座振替)
【出演】 鶴澤清治 市川染五郎
【お申込み方法】
※この催しは、あぜくら会員様に限りご参加いただけます。
会員電話・インターネット予約:7月4日(土)10時
会員窓口販売(残席がある場合のみ):7月5日(日)10時
※7月4日は2枚まで。
7月5日以降、残席がある場合は6枚までお買い求めいただけます。
※お申込み後の変更・取消しはできません
【お問い合わせ】 国立劇場チケットセンター
電話:0570-07-9900(ナビダイヤル)
PHS・IP電話からは03-3230-3000
文楽の新しい試みとしての『天変斯止嵐后晴』
『天変斯止嵐后晴』の作曲を担当し、筑紫大領の息・春太郎と阿蘇左衛門の娘・美登里が森の中で出逢い、恋に落ちる「第四景 森の中」と、春太郎を連れ帰った美登里に阿蘇左衛門が十二年前の追放劇を物語る「第五景 元の窟の中」を、豊竹呂勢大夫さんとともに勤める文楽三味線弾き・鶴澤清治さん(人間国宝)にお話を聞きました。VOL.4では阿蘇左衛門藤則の人形を遣う吉田玉女さんが登場します。
次回は7月10日ごろの更新の予定です。
8月15日(土)開演19:00(開場:18:15)
司会:桂春菜さん
★英語・中国語・韓国語の字幕つき公演★
【文楽】演目『艶姿女舞衣』よりお園のさわり
出演は、咲甫大夫さん、清志郎さん、幸助さん
体験コーナーも「文楽」です!
文楽以外の出演は下記になります。
【狂言】『柿山伏』善竹忠亮さん
【お座敷遊び】 たに川芸妓連中
【落語】(当日のお楽しみ)桂春菜さん
すでにリンク先にて、チケットのご予約もお申込みフォームにて受付が始まっております。
今回は日本語も合わせて4カ国語の字幕付き公演ですので、外国のご友人の方もお誘い合わせ頂きましてどうぞお運び下さいませ!
→「山本能楽堂」ホームページ
【チャンネル】NHKラジオ第2
【放送日】 2009年6月27日(土)
【放送時間】午前9:30〜午前10:00(30分)
義太夫「曽根崎心中 天満屋の段」
(浄瑠璃)竹本綱大夫(当時は織大夫)
(三味線)鶴澤 清治
<コロムビア Wx7089>
義太夫「曽根崎心中 天神森の段」
(浄瑠璃)五世 竹本南部大夫
(三味線)五世 鶴澤 燕三
(三味線)野澤 松也
<CBSソニー 25AG500>
作家…いしいしんじ
【日程】2009年8月30日(日)午後6時30分開演:
【会場】天満天神繁昌亭
(大阪市北区天神橋2-1-34)
・地下鉄谷町線・堺筋線「南森町駅」4-B出口から徒歩3分
・JR東西線「大阪天満宮駅」3出口から徒歩3分
・地下鉄堺筋線「扇町駅」4番出口から徒歩10分
・JR「天満駅」から徒歩15分
【演目】出演者による鼎談(義太夫ミニ・ワークショップ有り)
桂米左「三段目:質屋芝居」
桂吉坊「四段目:狐芝居」
//仲入//
豊竹英大夫・鶴澤清友「六段目:勘平腹切の段」
桂雀松「七段目」
【入場料】1階席 前売3,500円 当日4,000円
2階席 前売3,000円 当日3,500円 (全席指定)
【お問合せ】左(the)らくご事務局 TEL:090-2288-5472
【日程】2009年10月24日(土)6:30開演
【会場】ワッハ上方ホール
(大阪市中央区難波千日前12-7)
・地下鉄 なんば駅下車 徒歩5分
・南海電鉄 難波駅下車 徒歩5分
・近鉄電車 難波駅下車 徒歩5分
・J R JR難波駅下車 徒歩10分
【演目】『菅原伝授手習鑑〜天拝山の段』
豊竹英大夫 鶴澤清介
◇鶴沢清治さんら迎え
7月文楽公演を前に、文楽のつどい「文楽劇場シアタートーク」が7月11日午後2時から、大阪市中央区の国立文楽劇場で開かれる。
上演される新作「天変斯止嵐后晴(てんぺすとあらしのちはれ)」をテーマに、脚本・演出の山田庄一さん、作曲の文楽三味線の人間国宝、鶴沢清治さんらを迎え、対談や演奏で作品の魅力に迫る。
劇場が観覧者40組80人を募集。希望者は往復はがきの「往信」に「文楽劇場シアタートーク参加希望」と記し、郵便番号、住所、氏名、年齢、電話番号を記入。「返信」に返信あて先の郵便番号、住所、氏名を書いて、〒542−0073 大阪市中央区日本橋1の12の10 国立文楽劇場営業課「文楽劇場シアタートーク」毎日係へ。今月26日必着。応募多数の場合は抽選、結果は返信はがきで通知。問い合わせは同トーク係(06・6212・5542)。【濱田元子】
◇日本古来の文化を味わって−−桐生市民文化会館
文楽のイロハや代表的な作品を分かりやすく楽しめる「文楽…初めの一歩。素浄瑠璃を楽しむ」が8月29日、桐生市織姫町の市民文化会館で開かれる。300年以上の歴史を持つ人形浄瑠璃「文楽」は、三味線、太夫の語り、操られる人形で喜怒哀楽を描き出すもの。今回は、太夫の語りと三味線だけで演じる「素浄瑠璃」を楽しむ。
語りは人形浄瑠璃文楽座の竹本千歳さん、三味線は同座の野沢錦糸さんが担当する。素浄瑠璃は人形を使わないため、太夫が老若男女から情景描写などを緩急をつけて演じる。三味線もバチさばき一つで人間の心理や森羅万象を表現する。視覚に頼らないことで独自の味わいがあるという。
公演では「どうやって楽しむの」といった解説と、時代物や世話物など代表的な作品をわかりやすく解説し、素浄瑠璃が楽しく鑑賞できる構成になっている。
同市民文化会館では、これまでも能や狂言を気軽に楽しめる公演を企画してきており「日本古来の文化を味わって」と呼び掛けている。入場料2500円。問い合わせは同館(0277・40・1500)。へ【塚本英夫】
◇演目は「能勢三番叟」「風神雷神」など
能勢町で活動する「能勢人形浄瑠璃鹿角座(ろっかくざ)」が20日と28日の午後2時から、同町宿野30の浄るりシアターで公演する。
能勢では約200年前から、太夫の語りと三味線からなる素(す)浄瑠璃が盛んだった。98年、地元の主婦や学生、会社員らが、人形と囃子(はやし)を加えてビジュアル化をはかった「ザ・能勢人形浄瑠璃」の活動を開始。大阪の文楽座の技芸員に指導を受けてけいこに励み、06年、正式な劇団として旗揚げした。劇団員は約60人。
今回はオリジナル作品「能勢三番叟」「風神雷神」や、古典のレパートリー「仮名手本忠臣蔵−裏門の段」を上演するほか、「壺坂観音霊験記−沢市内より山の段」を初めて舞台にかける。盲目の沢市と女房お里の夫婦愛を描く名作で、徳島の人形師に依頼して制作した新しい人形がデビューする。最後に登場する美しい観音様の人形も見もの。
20日は一般2500円、中学生以下1500円(当日各500円増)。28日は前売り料金で立ち見のみ。同シアター(072・734・3241)。【畑律江】
Author:八十八(やそはち)&一二三(ひふみ)
未掲載の情報がございましたら、是非、下記メールフォームにてお寄せ下さい!何卒宜敷くお願いいたします。
