八十八&一二三の文楽れんらくちょう

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【産経ニュース】【旬な人】写真家・杉本博司さん(62)300年前の恋愛 現代演劇空間に

【産経ニュース】より。

【旬な人】写真家・杉本博司さん(62)300年前の恋愛 現代演劇空間に (2011.1.13 10:53)

世界文化賞受賞者で写真家・現代美術家の杉本博司氏 ニューヨークを拠点に世界的に活躍する写真家。高松宮殿下記念世界文化賞受賞の巨匠が、300年前の人形浄瑠璃を現代の演劇空間によみがえらせる。

 自身が約1年前に設立した「小田原文化財団」の企画制作で近松門左衛門作「杉本文楽 曽根崎心中」を上演し、構成や演出、美術、映像を手掛ける。目指すのは、初演時の雰囲気の再現だ。

 「近松が今、生きていればテクノロジーや照明を使って、舞台をこう組み立てたのでは」との考えから、観客を飽きさせないために映像もあれば、本物の平安時代の仏様も登場する。ヒロインの着物には、エルメスのスカーフを使った。コンセプトに賛同した人間国宝らが、新しい「文楽」にともに挑む。

 時は元禄16(1703)年。しょうゆ屋の手代、徳兵衛と堂島新地の遊女お初が大阪・梅田は曽根崎天神の森で心中を遂げる。わずか1カ月後、近松はこの事件を人形浄瑠璃「曽根崎心中」に仕立てて上演し、空前の成功を収めた。

 「若い男女の心中の話ですから、若い人に見ていただきたい。初演時から爆発的に若者の心中がはやる現象が起きた。曽根崎心中は当時、週刊誌やワイドショーのようなもの。受け狙いで、どんどんやっていたんですから」と意気込む。

   × × ×

 昭和30年に復活した現行曲は原文の一部が割愛されているが、杉本文楽では原文に忠実な舞台化を目指す。復活させる第1段「観音廻り」は、本は残っているが節回しは分からず、新しく制作する。古典に名を借りた新作は、いわば現代劇。

テーマの中心は「古典と現代」という。

 世界的な写真家と人形浄瑠璃にはギャップを感じるが、写真作品では時間の積み重なりを白黒の写真に視覚化する。世界の美術館が所蔵する代表作「海景」シリーズは、「古代人が見た風景を現代人は見ることができるか」との疑問から発し、世界各地の水平線を白黒の微妙な変化で表現した。過去に“ワープ”し、その時代のメンタリティーを表現する所に、共通点がありそうだ。

 古美術品の収集や建築でも知られ、写真の枠を超え自在に活動する。小田原市に計画中の財団の芸術文化施設には能舞台を造り、「室町時代の舞台はいかなるものか」を追求する。「見たい物を見たい」の精神。ワープの方法を問うと、「キュッとひねって」。緊張感のあるモノクロームの写真からは想像できない、気さくな話しぶりだ。

   × × ×

 「時代精神をビジュアルにつくり出すことがテーマ。タイムマシンのように時間を飛ぶのが杉本作品だとしたら、人形浄瑠璃では江戸初期にワープする。江戸時代の人形はほとんど残っていないが、文章を読み込めば当時の感じはつかめる」と説明する。

 「観音廻り」では、死に行くお初が観音信仰に深く帰依していたことが、伏線として語られる。お初は信仰に基づき、魂を浄土に迎える約束を取り交わして心中する。

 「男と女の1対1の恋愛は、このときからクローズアップされた。男女が真摯(しんし)に向き合うことを死で解決し、観音様が浄土に迎えることで結実させる筋立てが、若い人に受けた。仏教思想にエロスの問題を取り込んだのが面白い」

 曽根崎心中における死の美化は、やがて神風特攻隊につながっていくと解釈する。上演は3月、神奈川芸術劇場だが、日本人独特の心情表現の海外展開も考えている。

 「心中は、西洋人には分からない日本的なロマンチシズム。日本の文化はこういうものと攻める。理解されなくても、『変でしょう』でいい」。世界的巨匠の言葉に、現実味を感じた。(寺田理恵)

 ■すぎもと・ひろし 昭和23年2月23日生まれ。東京都出身。立教大卒業後に渡米し写真を学ぶ。代表作の「劇場」「海景」シリーズなどは、明確なコンセプトと卓越した技術で高い評価を確立した。平成13年にハッセルブラッド国際写真賞、21年に高松宮殿下記念世界文化賞の絵画部門を受賞した。


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