八十八&一二三の文楽れんらくちょう

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【毎日新聞】文楽:「菅原」「千本桜」ほか(国立小劇場) 眼目の「桜丸切腹」は今月随一の舞台

【毎日新聞】より。
文楽:「菅原」「千本桜」ほか(国立小劇場) 眼目の「桜丸切腹」は今月随一の舞台

 3部制公演で1部の最初は「葛(くず)の葉」。嶋・團七が子別れの哀れをしっとりと語り、和生が狐(きつね)の化身である葛の葉を人形ならではの演技で表現した。保名は玉女。

 「道行」は呂勢・清治以下の掛け合いで三味線の合奏が聞きもの。続く「嫗山姥(こもちやまんば)」は綱・清二郎が女の喋(しゃべ)りの芸を面白く聞かせた。人形は紋寿の八重桐、玉女の源七とそろう。

 2部は「菅原」で「道行」「車曳(くるまびき)」は掛け合い。「茶筅酒(ちゃせんざけ)」は千歳・團七で、3人の嫁に囲まれて浮き浮きしている白太夫の人柄を軽妙に語った。そののどかな風景が次第に険悪になり最後は悲劇に至る。その変化に作の面白さがあるが、文字久・清志郎の「喧嘩(けんか)」に続く眼目の「桜丸切腹」は住・錦糸で、息子の死を見守るしかない白太夫の悲痛さを情を込めて語り、端正な簑助の桜丸、切なさを隠して快活にふるまう勘十郎の白太夫、かれんな清十郎の八重と人形も優れている。今月随一の舞台。玉也、文司らが共演。

 3部は「千本桜」で「渡海屋」が文字久・喜一朗、英・清介で一通りの出来栄え。「大物浦」は咲・燕三で幼い帝を死なせる典侍局(すけのつぼね)の苦悩と、修羅の世界で生きる知盛の執念という男女の姿の対照を力強く語り出した。玉女の知盛が豪快で和生の典侍局に品位があった。「道行」は津駒、咲甫・寛治らの掛け合いで、勘十郎の忠信、簑助の静が息の合った演技を見せた。21日まで。(水落潔)



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