八十八&一二三の文楽れんらくちょう

人形浄瑠璃文楽に関する情報を集めております。 情報お待ちいたしております。

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【MSN産経フォト】文楽に逢う

【MSN産経フォト】より。

文楽に逢う(2011.05.10)

 「不義になって貸してくだされ」-。

 近所の人妻お吉ににじりより、切羽詰まった口調で金の無心をする不良青年・与兵衛。思わずぎくっと体を震わせるお吉。「ならぬと言うに、くどいくどい」

 そこから舞台は凄惨な殺人劇へと発展していく。暗闇のなか、ぴたぴたと床に落ちた油に足をすべらせ、転び、もんどりうちながら、お吉を追い詰めてゆく与兵衛。振りかざした刃が月光にギラリと光った。

「女殺油地獄」(豊島屋油店の段)借金の頼みを断られた与兵衛の凶刃がお吉を襲う。凄惨な修羅場と化した舞台上で、人形遣いに命を吹き込まれ意志があるかのように2体の人形が動く。欲に負けた人間の弱さと理不尽な死の間際に、生の儚さを見た。左は桐竹勘十郎、右は吉田和生=大阪・国立文楽劇場(4月公演の稽古風景)

 4月、大阪・国立文楽劇場で上演された近松門左衛門の傑作「女殺油地獄」。金に困った大坂の油問屋の放蕩息子、与兵衛は同じ油屋の人妻・お吉に金の無心を断られたことから、衝動的に惨殺する。

 目の前で繰り広げられる人形たちのドラマ。その迫力に息をのんだ。ハアハアという荒い息や恐怖に怯える心臓の鼓動まで聞こえてきそうな臨場感。油にすべって転ぶときのスピード感と激しさ。

「女殺油地獄」(豊島屋油店の段)借金の頼みを断られた与兵衛が刃物を持ってお吉を襲う。逃げ惑うお吉と追いかける与兵衛が、油のこぼれた床に足を滑らせ転げ回る場面のスピード感と臨場感は見せ場のひとつ=大阪・国立文楽劇場(4月公演の稽古風景)

 誰がいったい文楽を、難解で退屈な芸能と言ったのだろう。

 文楽人形遣い、桐竹勘十郎さんは、本公演で与兵衛を遣うのは三度目だ。「与兵衛も、あないなる前はええ子やったと思うんです。性根は弱い人間。それが女遊びを覚えて仲間が悪くて、だんだん自分も悪くなっていったんじゃないでしょうか」と分析する。

 人形遣いは、作者が書いていない部分を埋める作業がおもしろいという。どんな人間か、どんな心理かを想像し、人形に自身の思いを託して動かしてゆく。

 「人形がやることで、人間が演じる以上のおもしろさが出る。文楽という芸は、人間の代わりに人形が演技しているというだけのものでは決してない」


「源平布引滝」(瀬尾十郎詮議の段)迫力ある語りを聴かせる竹本住大夫=東京・国立小劇場

 文楽を象徴する数字は「三」であろう。

 太夫、三味線、人形遣いの三業が呼吸を合わせ、自身の肉体と魂のすべてをそそぎこんで作り上げる芸能。人形もまた、左遣い、足遣いの2人が、主遣いに心を合わせ、義太夫の語りに合わせて、3人で一体の人形を遣う。一見、不自由に見えるが、実はそこにこそ、文楽の豊饒さがある。

 「人形しかありえない世界を表現すること。それが僕たちの使命です」。勘十郎さんは胸を張った。

(写真:頼光和弘 文:亀岡典子)


「源平布引滝」(瀬尾十郎詮議の段)情感あふれる音色を聴かせる三味線の野澤錦糸=大阪・国立文楽劇場


 【三業】 文楽は、舞台上手に張り出した「床」で物語を語る太夫、義太夫節を演奏する三味線、舞台で人形を遣う人形遣いの三業で成り立っている。人形も、首(人形の頭の部分)と右手を動かし、その人物の性根を決定する「主遣い」、差し金と呼ばれる器具で人形の左手を操作する「左遣い」、両足を動かす「足遣い」の3人で動かす。まさに〝三位一体〟の芸能であり、世界中で三人遣いの人形劇はほかにない


「源平布引滝」(実盛物語の段)親子同時襲名をして、襲名披露狂言で息のあった語りと義太夫節を聴かせ、観客を魅了する九代目・竹本源大夫(左)と二代目・鶴澤藤蔵=東京・国立小劇場


「源平布引滝」(実盛物語の段)太郎吉が自分の孫であることを悟った瀬尾十郎は、生まれたばかりの駒王丸(後の木曾義仲)の家来にさせるため、平家方の家臣である自らの首を落し手柄を立てさせる=東京・国立小劇場

「源平布引滝」(実盛物語の段)太郎吉が成人した後で戦場で討たれようと約束して去る実盛=東京・国立小劇場(舞台稽古で撮影)


「二人禿」遊女に仕える二人の禿(かむろ)が華やかな振袖姿で踊り、うららかな春の様子が描かれる。禿は遊郭に住み込みで修行する行儀見習いの少女=東京・国立小劇場


4月2日の公演会場では東日本大震災の被災地支援のために募金活動が行われた=大阪・国立文楽劇場


頼光 和弘
 事件や事故に災害現場などの緊迫した現場取材が多い無骨者。最近、古典芸能「文楽」の魅力にとりつかれたが「似合わない」との周囲の声も…。チャームポイントはウエスト100センチのビール腹。


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