八十八&一二三の文楽れんらくちょう

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【MSN産経フォト】文楽に逢う

【MSN産経フォト】より。

文楽に逢う(2011.06.14)

 「武運につきたる勘平が、身の成り行き。推量あれ」と血走る眼に無念の涙…。

 江戸・元禄15年に起こった赤穂浪士の討ち入りをもとに書かれた文楽の最高傑作「仮名手本忠臣蔵」。全十一段構成のなか、五、六段目は、早野勘平の非業の死が描かれた人気の段だ。
 「若いころから憧れの役でした」。大阪・国立文楽劇場で上演中の文楽鑑賞教室で、勘平を遣っている吉田玉女はいう。

「仮名手本忠臣蔵」(早野勘平腹切の段)狩猟の最中に誤って舅の与市兵衛を撃ち殺したと思いこみ、自らを責めて腹を切った早野勘平。真実が判明し疑いが晴れたときには時はすでに遅かった。しかし、撃った相手は舅を殺して金を奪った真犯人の斧定九郎だった。結果として舅の仇討ちが明らかとなり「未だ武運つきざる」と、亡君の仇討ちへの参加も許され、連判状に血判し息絶える。勘平のために自らを捨て、金を工面した舅や妻。そして、勘平の死に様に「義」を重んじる人間の生き様を感じた。左は吉田玉女、右は吉田玉輝(6月の文楽鑑賞教室の稽古風景・国立文楽劇場)

 勘平は塩谷判官の家来。しかし、判官が殿中で刃傷に及んでいる大事のとき、腰元のおかると、こっそり逢瀬を楽しんでいた。勘平はおかるの故郷、山崎に出奔、猟師をしながら仇討ちに加わる機会を待つ。ところが夜半の山中で舅を殺したと思いこんだ勘平は絶望と自責の念から、自ら腹を切って死んでゆく―。

 「しかし、真犯人は山賊の定九郎。真実がわかったときはすでに遅く、やることなすことすべて後手に回り、悪い方へ悪い方へと運命の歯車が回ってゆく勘平の姿に、遣っていて哀れを感じます」
 玉女の遣う勘平には、源太の首にふさわしい若者の色気と、血を吐くような苦悩が同居する。
 恋に夢中になってつい道を踏み外し、のっぴきならない状況に陥ってゆく勘平の悲劇は、現代にも十分も起こりうる。だからこそ普遍的な人間ドラマとして深い共感を呼ぶのであろう。

(身売りの段)夫の早野勘平が亡君の仇討ちに参加するために必要となる金を工面するため、身を売る決意をする妻のおかる

 「仮名手本忠臣蔵」の作者は、時の権力者である幕府をはばかって、時代を室町に移し、登場人物の名前も、大石内蔵助は大星由良助に、浅野内匠頭は塩谷判官に、吉良上野介は高師直にと変えた。
 しかし、もっとも違うのは、文楽の忠臣蔵の発端が、〝恋ゆえ〟ということであろうか。
 師直は、判官の妻の顔世御前に横恋慕した。しかし顔世は相手にしない。その恨みが夫の判官に向かい、ねちねちといじめたことが刃傷事件を引き金となるのである。
 恋こそが、人間を変え、歴史を動かす。勘平の悲劇も恋に起因する。そこに、この名作の根源的な魅力がある。

 写真 頼光和弘
 文 亀岡典子 


(二つ玉の段)悪役の山賊、斧定九郎。早野勘平の義父の与市兵衛を殺し金を奪うが、すぐに勘平にイノシシに間違えられ撃たれて死ぬ。結果として仇をとられたかたちで死んでいく。ダーティーな悪の魅力を感じさせる

以下は、国立文楽劇場で行われた第28回文楽鑑賞教室の「牛若丸 弁慶 五条橋」から。鑑賞教室では人形遣いが文楽人形の仕組みを説明し、大夫が物語の解説をするなど、文楽をより身近感じてもらい楽しめるようにしている。

「牛若丸 弁慶 五条橋」 京都の五条橋に表れた武蔵坊弁慶。背中に多くの武器を背負い、豪快に大薙刀を振るう。人形遣い・吉田幸助

「牛若丸 弁慶 五条橋」 京都の五条橋で武蔵坊弁慶と戦う牛若丸(源義経)は豪快な大薙刀の攻撃をひらりとかわして、欄干に飛び乗り扇を広げた。人形ならではの軽快な動きが牛若丸の華麗な身のこなしを表現する。人形遣い 牛若丸・吉田一輔、弁慶・吉田幸助

「牛若丸 弁慶 五条橋」 京都の五条橋で牛若丸(源義経)と戦い感服した弁慶は家来となり主従関係を結ぶ。人形遣い 牛若丸・吉田一輔、弁慶・吉田幸助

京都の五条橋に表れ妖艶な雰囲気さえ漂わす牛若丸(源義経)。人形遣い 牛若丸・吉田一輔

 【三大名作】 文楽の数ある名作のなかで、「仮名手本忠臣蔵」「菅原伝授手習鑑」「義経千本桜」を、俗に文楽三大名作という。「仮名手本―」は江戸・元禄期の赤穂浪士の討ち入りをもとに作られた忠義と情の物語。「菅原―」は平安時代、太宰府に左遷された菅原道真をめぐる悲劇であり、「義経―」は源平の合戦に大胆なフィクションをまじえ、人間の業や親子の情を描いている。いずれも史実がベースであり、深い人間ドラマが骨太に描かれた大作だ。

(写真の無断転載を禁止します)

人形の首(かしら)の仕組みを説明する吉田簑紫郎。文楽鑑賞教室では文楽の見所などを、技芸員がわかりやすく解説してくれることも魅力のひとつだ(文楽鑑賞教室・国立文楽劇場)

頼光 和弘
 事件や事故に災害現場などの緊迫した現場取材が多い無骨者。最近、古典芸能「文楽」の魅力にとりつかれたが「似合わない」との周囲の声も…。チャームポイントはウエスト98センチのビール腹。


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