八十八&一二三の文楽れんらくちょう

人形浄瑠璃文楽に関する情報を集めております。 情報お待ちいたしております。

カレンダー

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

1人でも多くの方に文楽関連情報をお届けしたく、ランキング参加中です。
にほんブログ村 演劇ブログ 古典芸能へにほんブログ村
FC2 Blog Ranking


【MSN産経フォト】文楽に逢う

【MSN産経フォト】より。

文楽に逢う(2011.08.09)

 「浄瑠璃てええもんやなと思うようになったんは、60歳を過ぎてからですね」

 文楽太夫の最高峰で人間国宝、切場語りの称号を持つ竹本住大夫は今年、87歳を迎える。

 古今、文楽の歴史で、80を過ぎて太夫を勤めた例はほとんどない。


 「心中宵庚申」(上田村の段)  劇中の登場人物を一人で表現する太夫。しかし、住大夫は「義太夫節は声色ではない。音曲を聞かせること」と話した。劇中の登場人物の喜怒哀楽はもちろんのこと、その性格までもが伝わってくる多彩な表現が劇場の空間に広がる。言葉に命が宿り、言葉が見えるようにすら感じさせる語りに、古来より日本に伝わる「言霊」を思った。(国立文楽劇場)

 住大夫は、猛暑の大阪・国立文楽劇場「夏休み文楽公演」で17日間にわたって連日、近松門左衛門最後の世話物「心中宵庚申・上田村の段」を勤めた。


 表情豊かに熱のこもった稽古をする竹本住大夫。ピンと張りつめた空気が稽古場を包んでいた(国立文楽劇場)

 『灰になっても、帰るな』と、そのひと言をこの世の名残…

 振り絞るように、娘・千代に語りかける老父・平右衛門。離縁されて帰ってきた娘への哀れさ、情愛を込めながら、「灰になっても…」のひと言に、娘の死を覚悟した男親の悲しみをにじませる。


 楽屋で着物の懐に「落とし」とよばれる太夫独特の道具を入れる。落としは重心の安定に欠かせない。ほかにも着物の下には、下腹部をきつく締める腹帯が巻かれるなど、義太夫節を生み出すために必要な道具がひそかに隠れている(国立文楽劇場)

 「死んでも帰ってくるな、と言いながら、根は娘がかわいい。しかも平右衛門自身は豪農でいまは病気で患う身。そういうすべての状況を表現せんとあかん。こういう父親を語るには、若いとき先輩方に叱られてきた経験、そしてなにより人生経験が必要です」

 住大夫は、自身の修業時代を「悪声で不器用やった」と述懐する。「そやから、食らいついて、食らいついてここまできた」と。


 裃を身につけて床にあがる直前、楽屋で身だしなみを入念に最終チェックする

 戦後、文楽は長く、会社側(松竹)の「因会」と、組合側の「三和会」に真っ二つに分かれた。文楽の悲劇の時代である。


 「心中宵庚申」(上田村の段) この段の最大の見せ場、「灰になっても、帰るな」と老父・平右衛門に言われ実家を後にするお千代。娘の死を覚悟しながらも送り出す、年老いた父親の心情に胸が締め付けられる(人形遣い、女房お千代・吉田簑助、八百屋半兵衛・桐竹勘十郎)

 住大夫は「三和会」に属し、凄惨な貧乏を経験する。夜行列車に乗り継ぎ、「こんな因果な宿があるんか」と、ぼう然としたこともあった巡業の日々。しかし、人数が少なかったため、20代や30代では語らせてもらえない大きな段も勤めさせてもらった。


 「心中宵庚申」(道行思ひの短夜) 心中の覚悟を決めた二人だったが、脇差しを目の前にして、お腹の子供の不憫さを思い泣き伏してしまうお千代。半兵衛も同じ思いだった。(人形遣い、女房お千代・吉田簑助、八百屋半兵衛・桐竹勘十郎)

 そんな住大夫が一番好きなジャンルは〝時代世話〟 「忠臣蔵・六段目」「すしや」「沼津」…。歴史の大きな渦に巻き込まれ、犠牲になる庶民の悲劇を語るとき、住大夫の口から語られる人間たちの悲しみ苦しみは、時を越え、わたしたちのすぐ隣にいる人々の心情と重なり合う。

 「最後は人間性を磨くこと。それに尽きる」。

 滋味に満ちた住大夫の義太夫節には、私たちのなかにある日本人の魂をいま一度呼び覚ます力が込められている。

  写真 頼光和弘

   文 亀岡典子


 「心中宵庚申」(道行思ひの短夜) お千代を刺し、辞世の句を詠んだ後で自害した半兵衛が、死ぬ間際にお千代を抱きしめる(人形遣い、女房お千代・吉田簑助、八百屋半兵衛・桐竹勘十郎)

 【切場語り】 物語の中のクライマックス、一番の聴かせどころを「切場」といい、その場を語る太夫を「切場語り」といいます。太夫にとって最高の称号で、番付にはその太夫の名前の上に「切」の一字をつけます。現在の切場語りは、竹本住大夫を筆頭に、竹本源大夫、豊竹嶋大夫、豊竹咲大夫の4人です。


 「心中宵庚申」(上田村の段) 床本を掲げる竹本住大夫


頼光 和弘
 事件や事故に災害現場などの緊迫した現場取材が多い無骨者。最近、古典芸能「文楽」の魅力にとりつかれたが「似合わない」との周囲の声も…。チャームポイントはウエスト100センチのビール腹


1人でも多くの方に文楽関連情報をお届けしたく、ランキング参加中です。
にほんブログ村 演劇ブログ 古典芸能へにほんブログ村
FC2 Blog Ranking


FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。