八十八&一二三の文楽れんらくちょう

人形浄瑠璃文楽に関する情報を集めております。 情報お待ちいたしております。

カレンダー

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

1人でも多くの方に文楽関連情報をお届けしたく、ランキング参加中です。
にほんブログ村 演劇ブログ 古典芸能へにほんブログ村
FC2 Blog Ranking


【産経新聞】「大阪 文楽の灯消さないで」 人間国宝、マスコミに訴え

【産経新聞】より。

「大阪 文楽の灯消さないで」 人間国宝、マスコミに訴え(産経新聞 1月16日(月)15時56分配信)


 大阪市の橋下徹市長が、財団法人・文楽協会など文化団体への市の補助金の大幅見直しを表明したことに対し、竹本住大夫(すみたゆう)さんら文楽の人間国宝6人をふくむ人形浄瑠璃文楽座の技芸員が16日、新聞社やテレビ局などマスコミ各社宛てに、「文楽の実情と私たちの意見を広く知っていただきたい」などと要望する文書を送付した。

 住大夫さんらの連名で送られた文書では、「一度失われた文化・伝統は、もはや回復不可能。特に大阪で生まれ育った文楽の灯は決して消してはいけないのです」と訴え、「今後、大阪府市の行政機構改革で論議があると思いますが、行政改革問題と文化問題をないまぜに論議してはいけないと思います。『文化力』としての『文楽』という力を損なうことのないよう、慎重な議論を切に望みます」と要望している。


「文楽」という力を損なうことのないよう…(人間国宝らの要望書全文)2012.1.16 15:12 (1/4ページ)

大阪市の橋下徹市長が、財団法人・文楽協会など文化団体への市の補助金の大幅見直しを表明したことに関連し、竹本住大夫さんら文楽の人間国宝6人をふくむ人形浄瑠璃文楽座の技芸員が16日、新聞社やテレビ局などマスコミ各社宛に送付した要望文書(全文)は次の通り。


 新春の候 

 貴社におかれましては、いつも人形浄瑠璃文楽を御引き立て、御後援頂きありがとうございます。

 さて、私たち文楽に関る技芸員は、皆様もご存じのように、昨今行われている大阪府・大阪市の行政機構改革の論議が、府・市の文化行政問題と区別されずになされていると感じております。また、私たちが論議へ参加する場も与えられておりません。私たちはこの現状に危機感を持ちまして、文楽の実情と私たちの意見を広く市民の皆様、また文楽を支えてくださっているファンの皆様に知っていただきたいと思い、この文書を上申いたします。

 まず文化というものの位置づけですが、洋の東西を問わず、国や地方が衰退するとき、その地域の固有の言語・音楽・伝説・演劇・伝統が力を失っていっております。また、一つの文化圏が他の文化圏を侵略する場合、まず言語を奪い信仰を奪い文学作品・音楽作品・伝統習慣を奪うのが常套手段です。自分たちの文化を失った人たちは、自信と団結力とその自尊心を失います。国家に例えますと、私たち日本人が他の国々と対峙するとき必要なのは、経済力・軍事力と並んで文化力であると思います。国を守るのは文化力なのです。外国に対して日本の育てた文化をしっかりと提示することは、日本人の心の豊かさを示すこと、日本の知的・経済的な力を宣伝することに他なりません。日本人の文化力を示すことが出来れば、自ずと他国の人の日本人に対する対応も慎重で、敬意を持ったものになるでしょう。

(2/4ページ)

 「人形浄瑠璃文楽」は私たちが大切に育てた日本語、並びに日本人が培った音感とリズム感の美しい結実である「義太夫節」と「三人遣い」という世界に例を見ない「人形」との総合芸術であります。私たちは、「人形浄瑠璃文楽」は日本文化の粋であるとの自覚を持って活動しております。幸いにも日本の宝として「人類の無形文化遺産の代表的な一覧表(ユネスコ無形文化遺産)」に記載され、その美しい演劇の形式が世界にも認められ、高い評価をいただいております。

 現在、日本の宝として残っている「文化財」は、そのほとんどがその時代の有力な政府の庇護と有力な富豪の経済力とに支えられてできあがったものと思います。文化を育てるには経済力が必要です。文化を守るのにはお金が必要なのです。市民の力が必要なのです。ヨーロッパの各都市は、それぞれ年間何億円という金額をオペラ劇場のために予算計上していると聞いております。一度失われた文化・伝統は、もはや回復不可能なものです。特に大阪で生まれ育った文楽の灯は決して消してはいけないのです。

 かつて文楽が民間の会社で経営されていた時代、不幸にも二つの組織に分かれてしまい、また、経営の破綻に見舞われ、消滅の危機に瀕しました。そのとき「文楽」の文化的財産の価値を認識しておられた文部省・財界・政界・学者・文化人・報道機関の方たちの懸命のご努力によって、公の保護の元に置かれる事となり、その補助の受け皿として大阪府・大阪市・NHK・関西財界の協同によって出来た組織が私達の所属する「文楽協会」であります。我々技芸員は文楽協会と出演契約をすることにより、文楽公演に出演する対価として出演料を頂き生活の糧としております。

(3/4ページ)

 文楽は総合芸術であり、大道具・小道具・衣裳・人形・技芸員の出演料・宣伝などに莫大な経費がかかります。また文楽協会の職員給与・維持経費・事務所の賃料なども必要です。文楽は「人形の大きさ」という制約により、席数の多い大劇場では上演出来ず、また、観劇料金も他の劇団より低く抑えられております。国立文楽劇場の幕見席にいたっては、短い幕は500円で観ていただけるように設定されております。文楽という演劇形態が持つ、こういう宿命的なハンディにもかかわらず、日本芸術文化振興会(国立劇場・国立文楽劇場)の御努力により、平成22年度までは文楽の本公演は収支においてなんとか赤字を出さずにきております。(今年度は震災の影響もあり、厳しい状況にあります)

 文楽協会は国・大阪府・大阪市からの補助金をいただいております。しかし、重ねて申し上げますが、私たち技芸員の報酬は、日本芸術文化振興会主催の年8回の本公演に出演し、6月・12月の「学生のための文楽教室」、文楽協会主催の3月・10月の二回の「地方公演」、大阪市主催の「大阪市内小中学生のための文楽教室」などに出演し、その対価を出演料としていただいております。

 今後大阪府市の行政機構改革で論議があると思いますが、システム運営上の無駄な経費削減の論議は当然ですが、行政改革問題と文化問題をないまぜに論議してはいけないと思います。「文化力」としての「文楽」という力を損なうことの無いよう、また「文楽協会」設立の趣旨を十分くみ取られた上で慎重な議論をしていただきたいと切に望みます。また私たち技芸員も今後もより質の高い舞台を作り上げる努力を惜しまぬことをここに約束する次第でございます。

(4/4ページ)

 大阪市は文化政策を見直す第三者機関「アーツ・カウンシル」を立ち上げると聞いております。ここで皆様のお力添えで「大阪の文化を守らなければならない」という私たちの声を紙面に大きく取り上げていただいて、今後の市政に反映させる事が出来るよう、力をお貸しいただきたいと存じます。

 

 竹本住大夫 竹本源大夫 鶴澤寛治 鶴澤清治 吉田簑助 吉田文雀

 人形浄瑠璃文楽座技芸員


1人でも多くの方に文楽関連情報をお届けしたく、ランキング参加中です。
にほんブログ村 演劇ブログ 古典芸能へにほんブログ村
FC2 Blog Ranking


FC2Ad

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。