八十八&一二三の文楽れんらくちょう

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【産経新聞】花形役者に聞く 文楽人形遣い・吉田簑紫郎(上) 驚愕の技 人間より人間らしい表情

【産経新聞】より。

花形役者に聞く 文楽人形遣い・吉田簑紫郎(上) 驚愕の技 人間より人間らしい表情  2012.3.21 16:30 (1/4ページ)[ベテラン記者コラム]

 文楽の“華”は人形。初めてその舞台を見た人は、一様に、人間よりも人間らしく陰影のある表情を見せる文楽人形に驚嘆し、その繊細な美しさを称える。文楽人形遣いの吉田簑紫郎(よしだ・みのしろう)は、小学生のときに見た女方(おんながた)の人形に魅せられ、この世界に入ることを決めた。しかしいま、文楽は、大阪市の橋下徹市長の文楽協会への補助金見直しで危機にあるといわれている。そんな状況の下、気鋭の人形遣いは何を考えているのだろうか。簑紫郎に話を聞いた。

 今回は上の巻-。


初めて見た文楽に驚愕


 --文楽を初めて見たのは小学生の時とか?

 吉田簑紫郎 小学校3年生だったんですよ。テレビの舞台中継だったんですけど、3人が一体の人形を遣(つか)っていること自体、衝撃でした。もともと工作や絵を描くのが好きだったので、文楽という芸能というより、文楽人形の仕掛けに興味を持ったんです。誰がどのパーツを動かしているんだろう。あんなに生きているみたいに動かすにはどういう仕掛けがあるんだろうって。

 --演目は何だったのですか

 簑紫郎 「本朝廿四孝(ほんちょうにじゅうしこう)」でした。そこでヒロインの八重垣姫を遣っておられたのが、(吉田)簑助師匠だったんです。

 --長尾謙信の息女、八重垣姫は、敵方の武田勝頼に恋をし、勝頼の命を狙う父・謙信を裏切って、恋しい人を助けようとするんですね

 簑紫郎 たまたまつけたテレビだったのにすぐに引き込まれました。人形の着物はきれいだし、なんていっていいかわかりませんが、八重垣姫の表現がすごく力があって…。八重垣姫を遣っておられた簑助師匠は当時、五十代前半だったと思いますが、子供心に、なんてかっこいいおじさんなんだろうと思ったのを覚えています。

 --そのテレビ中継がきっかけで人形遣いになろうと思ったのですか

 簑紫郎 それから学校帰りに、大阪の国立文楽劇場に通うようになったんです。舞台稽古を見せてもらったりして、すごく楽しくって。稽古の合間に人形遣いの人たちが黒衣を着て雑談している様子とか、「つかみ手」というのですが、人形の手が動くようになっていて、動かすと、かしゃかしゃ音がするんですよ。その音も心地よかったですね。あの人形遣いさんたちの輪に入りたいなあって思いました。

 --実際の舞台もおもしろかったですか

 簑紫郎 普通、人形劇というと、子供向きみたいな感じじゃないですか。でも、文楽は違った。人形の動きは繊細でありながら迫力があるし、物語も深い。これはすごい世界だなあって。あるとき、舞台を見にいくと、人形遣いの体験コーナーがあったので手を上げたんです。ひとり遣いのツメ人形を遣わせてもらったんですけど、舞台にいらっしゃったのが、またもや簑助師匠でした。実際お会いすると、もっとかっこよくて…。人形が好き、師匠が好き。そのとき、もう心は決まりましたね。


「答えは舞台にある」


 --入門されたのは中学1年生のとき。人生の決断は早かったですね

 簑紫郎 何しろ、少しでも早く師匠のもとにいって、人形のそばにいたい。それだけでした。

 --入門した当初ってまず、何をするのですか

 簑紫郎 師匠や先輩方の草履をそろえたり、舞台で履かれる下駄を用意したり、汗を拭くタオルを渡したり。いわゆる雑用ですが、それが大切なんです。

 --人形遣いさんって、普段のお稽古はあるのですか

 簑紫郎 舞台を見ることが勉強なんです。あるとき、「女殺油地獄(おんなころしあぶらのじごく)」で、師匠が主役の与兵衛を遣っておられたとき、突然、足を遣うよう言われました。ほとんどぶっつけ本番みたいなものです。

 --普段の勉強が大切なんですね

 簑紫郎 舞台を見ることが一番の勉強ですね。もちろん先輩方は教えてくださいますが、普段出番がないときでも、舞台袖でずっと人形の動きを見ていないといけないと思います。「答えは舞台にある」といわれますが、本当にその通りだと思います。


こまっしゃくれた子役にやりがい


 --入門して20年以上が経ちました。これまでで印象に残っている役は何ですか

 簑紫郎 僕ぐらいのキャリアだと、まだまだ大きなお役は勤めていませんが、そのなかでは子役ですが、「恋女房染分手綱(こいにょうぼうそめわけたづな)」の三吉とか、「源平布引滝(げんぺいぬのびきのたき)」の太郎吉なんか、やりがいがありますね

 --どういうところが

 簑紫郎 たとえば、三吉は生き別れになった母親の重の井(しげのい)と再会するのですが、三吉は馬子で、重の井はお姫様の乳母。身分があまりにも違っているんです。三吉は苦労してきたので振る舞いもどこか大人びてこまっしゃくれている。でも、母を恋しく思う子供らしい気持ちはいっぱいあるんです。でも重の井は母と名乗れない。そういう三吉の気持ちの複雑さが遣っていてすごくおもしろいですね。以前、簑助師匠が、「僕がやりたい」とおっしゃったほどです。

 --簑紫郎さんの三吉、無理して大人っぽく振る舞っている様子がかわいかった。胸にぐっときました

 簑紫郎 太郎吉も、子供のくせに、一人前の武士になったつもりでしょ。子供らしさと大人びた風情をどう表現するか。いろいろ考えながら遣うのは楽しいです。

 --心理的に複雑な役が好きなんですね

 簑紫郎 「沼津」の十兵衛、「心中天網島(しんじゅうてんのあみじま)」の治兵衛、「女殺油地獄」の与兵衛、「義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)」の維盛(これもり)…おこがましいけど、いつかやってみたい憧れの役です。性根に複雑さがある役って、遣ってて難しいけど、おもしろいじゃないですか。

=続く


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