八十八&一二三の文楽れんらくちょう

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【MSN産経フォト】文楽に逢う

【MSN産経フォト】より。

文楽に逢う 【女方】

2012.04.10
撮影場所 国立文楽劇場
サブジャンル [文楽に逢う] [関西]

 文楽の華は〝女方〟の人形。

 あでやかに、華やかに、色っぽく、ときに凜と、そのまろやかな白い顔と優美な身のこなしは、さまざまな感情を伝えてくれる。

「祇園祭礼信仰記」(爪先鼠の段) 絵師雪舟の孫娘の雪姫は亡き父、雪村の敵、松永大膳に仇討ちを挑んだものの捕えられ、桜の木に縛り付けられてしまう。逃れようと身をよじり、必死にもがくものの縄はほどけず涙を流す。窮地の脳裏によぎったのは、かつて雪舟が同じように縛られた時に涙でネズミの絵を描いたところ、その鼠が縄を食いちぎったという話。雪姫は足元の桜の花弁をかき集め、爪先で鼠の絵を描き奇跡を起こす。(人形遣い、雪姫・豊松清十郎=写真はすべて4月文楽公演の舞台稽古から・国立文楽劇場)

 4月、大阪・国立文楽劇場の文楽公演では、そんな女方の人形たちが活躍する演目が揃っている。

 なかでも「祇園祭礼信仰記」の雪姫は、お姫様役の大役。「本朝廿四孝」の八重垣姫、「鎌倉三代記」の時姫と並んで、「三姫」と呼ばれるほどのヒロインだ。

「祇園祭礼信仰記」(爪先鼠の段) 雪姫は名刀、倶利伽羅丸を持っていた松永大膳こそが父の敵であることを知り、果敢に刀を奪い斬りかかるものの…。(人形遣い、雪姫・豊松清十郎)

 雪姫は絵師、雪舟の孫娘。天下を狙う松永大膳に金閣寺にとらえられ、自分の意に添うよう脅されている。しかし愛する夫がいる雪姫は大膳に従わない。怒った大膳が雪姫を桜の木に縄で縛り付けると、雪姫は祖父の故事を思い出す。

 〈『我も血筋を受け継いで、筆は先祖に劣るとも、一念力は劣らじ』と足にて花を掻き寄せ掻き寄せ掻き集め、筆はなくとも爪先を筆の代はり…〉

「加賀見山旧錦絵」(長局の段) 局岩藤から受けた恥辱のため元気のない主人尾上の様子を心配する召使いのお初。肩を揉みながら浄瑠璃の忠臣蔵を例え話にだして、短慮を起こさぬようそれとなく尾上を諫める。主従の厚い信頼関係と忠義を感じさせるワンシーンだ。この後、物語は女性版「忠臣蔵」というべき展開と結末を迎える。(人形遣い、お初・桐竹勘十郎 尾上・吉田和生)

 浄瑠璃に描かれた雪姫の奇跡。黄金色に輝く金閣寺に桜の花びらがはらはらと舞い散り、豪華な赤い振袖姿の雪姫が縛られた不自由な身をよじりながら、足の爪先で桜の花びらを寄せ集め、鼠を描く。と、奇跡が起きる。花びらの絵の鼠が動き出し、縄を食いちぎって雪姫を助けるのである。

「加賀見山旧錦絵」(奥庭の段) 徹底した悪役として憎々しさを感じさせる局岩藤。その存在感がお初の清廉さを更に際立たせる(人形遣い、吉田玉也)

 夫への愛情と雪舟の孫という誇り。それこそが何物にも代え難い雪姫のアイデンティティーであり、だからこそ絶体絶命の窮地に、祖父と同じ奇跡を起こすことができたのであろう。

 色彩美にあふれた文楽屈指の名場面。ここには女方の人形の美の極致がある。

「加賀見山旧錦絵」(長局の段) 恥辱に耐えきれず自ら命を絶った尾上の亡骸を前に、宿敵の岩藤を討つ決意を固めたお初。乱れる美しい黒髪に、激しい憎悪と女の強さ、そして主に対する限りない愛情を感じた。(人形遣い、お初・桐竹勘十郎)

 しかし、雪姫を遣うのは至難のわざという。両手を縛られているため、主遣いはその場面では片手だけでバランスを取りながら人形を動かさねばならないからだ。

 雪姫を遣っているのは豊松清十郎。「一途さのなかに、かわいらしさと激しさを秘めた女性。美しい姿を意識して勤めたい」

「加賀見山旧錦絵」(奥庭の段) 主人尾上の無念を晴らすため局岩藤を討ち果たすお初。強い情念を感じさせる激しい立ち回りは、息するのも忘れるほどの迫力だ(人形遣い、お初・桐竹勘十郎 岩藤・吉田玉也)

同性の羨望を呼び、嫉妬させてしまうほどに優美なお姫様たち。しかし彼女たちの情熱や芯の強さは、時を超え、現代のわたしたちに何かを教えてくれているようだ。

 写真 頼光 和弘

 文  亀岡 典子


「桂川連理柵」(道行朧の桂川) 愛することを知り少女から大人の女性へと変わるお半。一途な愛を貫くお半の凛とした美しさが涙を誘う(人形遣い、お半・吉田簑助)

 【三姫】 「さんひめ」と読みます。文楽の作品に登場するお姫様のなかで、3つの大役を言います。まずは、今月、大阪・国立文楽劇場で上演されている「祇園祭礼信仰記」の雪姫、それから「本朝廿四孝」の八重垣姫、「鎌倉三代記」の時姫です。雪姫は絵師・雪舟の孫娘、八重垣姫は長尾謙信の息女、時姫は北条時政の息女と、いずれも身分が高いお姫様。赤い豪華な振り袖を着ているのも特徴です。もうひとつの特徴は、3人とも情熱的な愛情をもっていて、自分の意志を貫くこと。雪姫は時の権力者に背き、八重垣姫と時姫は恋のためなら親を裏切ることも厭わない。そんな激しいお姫様たちです。ちなみに「三姫」という言葉はもともとは歌舞伎で使われていましたが、現在では文楽でも使われているようです。

「桂川連理柵」(道行朧の桂川) 心中するため桂川にやってきた長右衛門とお半。愛する人の子を宿しながらも成就せぬ恋のため、死を選ぶ少女お半。その姿に、かつて心中しようとして一人死なせてしまった芸子の姿を重ね、自分だけ生き延びた因果を感じた長右衛門。二人の思いが重ね合わさり、桂川へ身を沈めた。(人形遣い、長右衛門・桐竹勘十郎 お半・吉田簑助)

頼光 和弘
 事件や事故に災害現場などの緊迫した現場取材が多い無骨者。最近、古典芸能「文楽」の魅力にとりつかれたが「似合わない」との周囲の声も…。チャームポイントはウエスト101センチのビール腹。


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